隻腕の剣士にらぶこーる
- しんせんぐみ![四巻,五巻]
リアルタイムでしんせんぐみ!を観ていたとき、芹沢鴨は登場してから死ぬまでわたしの中でフィーバーしっぱなしだった。とくに「おれは悪いやつだ」と沖田に言い放つシーンなんかはもうかわいくってしょうがなくて、五巻にそのシーンが入っていたからそこだけ三回繰り返し観た。芹沢は、自分自身が見失ってしまった「真っ直ぐ生きる道」をゆく近藤や沖田に嫉妬と羨望とを抱いていて、だから信念を背負った近藤と正面から向き合えないし、傍若無人に無邪気さを撒き散らす沖田に「人を斬れ、汚いものを見ろ」と言う。情けない自分を唾棄するように酒に酔い女に逃げ、あげく他人に八つ当たり。この駄目男っぷりのなんたること!かわいいひとだ。お梅は「男はみんな敵」と言ったし、芹沢のことも自分の生活を成り立たせるために利用しているところもあるんだろうけど、はぐれた道で引き返すことも出来ずに独りで生きている男のことを、憐憫を持ってして好いているんじゃないかと思う。かわいそう、だからいとしい。というふうに。女のひとってそういうとこあるし。・・・深読みって楽しいなあ!