さりとて物うき世や

講武所の師範に推挙された近藤におめでとうを言えない歳三。大先生に「かっちゃんにはおれはもういらないんだ」とか言っちゃう歳三。くさくさした気持ちを女で紛らわす歳三。しんせんぐみ!の多摩・試衛館時代の歳三はものすごくプライドが高くて滅多に本音を言わない。かっちゃんが武士らしくなっていく様から目をそらしてしまうのは、踏み止まるしかない自分と比べたときの、嫉妬と羨望とさみしいという思いから*1。そいで近藤の講武所の話が流れて、浪士組結成の話が舞い込んできたとたん、当たり前のようにかっちゃんについて行く歳三。一巻からの流れで、歳三本人がはっきりと言わないまでも「おれだって武士になりたい」という気持ちを随所にちりばめてあったのに、浪士隊結成で「おれは京に行く」と言った近藤に対してのうなずき一つで歳三も浪士隊入りを決めてしまったのは簡単すぎるんじゃなかろうか。ここでひとつ歳三の決意を言葉にしてほしかった。あれじゃ近藤の腰巾着に見える。後々出てくるかもしれない台詞だけれど「おれがあんたを大名にしてみせる」とか二話か三話で近藤が歳三に言った「でかいことやろうぜ」を歳三が言ったりするとか何かあっても良かったんじゃないかしら。と土方びいきの私は思った!しかしまあリアルタイムでしんせんぐみ!みてたときも思ったけど、一さんは近藤さんに優しくされたら野良犬だったのが忠犬になってしまって大変かわいらしい。そして佐々木只三郎は鬼のようにかっこいい。

*1:わたしの勝手な深読み