とーきょー名所図会

  • 湯島天神・奇縁氷人石 まいごさがしてます


陰間茶屋が多くあったという湯島に行かねばーと、テストセンターで某社の試験を受けてから、湯島天満宮に。迷子しるべ石である、奇縁氷人石を発見。向かって右側面に「たつぬるかた」、左側には「をしふるかた」と彫られていて、迷子になった子供の名前を紙に書いて右側に貼って、迷子を見つけたときその子供の名前やらを書いた紙を左側に貼ったらしい。石を見て漫画の木島日記にこの迷子しるべ石が出てきたことを思い出した。たしか木島日記のそれはどっかにワープする場所だったんだよ(ワープって)。漫画の影響受けるのもアホだけど、なんかこえーな。湯島天神の周囲は陰間茶屋の面影なんかなんもなかった。でも、当時に思いを馳せながら地を踏みしめることに意義があったんだ。

  • 伝通院・家康のお母さんが眠る場所

湯島天神から歩いていこうとしたけれど、暑いし遠いしで電車移動。都営大江戸線上野御徒町から春日で下車、東京ドームを背にして真っ直ぐ歩く。途中で源覚寺のこんにゃくえんまに立ち寄って、閻魔様にこんにちわ。伝通院、遠い。善光寺坂を登っていくと幸田露伴の邸宅跡があって(←何かの本で読んだ気がする)、そのとなりに澤蔵司稲荷。お稲荷さんには帰りに寄ると決めて、すこし坂を上ると、淑徳学園の隣に、伝通院。あー着いた!と本殿に挨拶は後回しで、お墓に向かう。徳川家康の生母・於大の方と、秀忠の娘・千姫、家光の正室・孝子さんたちが眠っているのだ。いま徳川家の結婚について勉強しています、と報告も兼ねて於大の方の墓前に手を合わせる。このひとが家康を産んだのかとしみじみ思うとなんでだか涙が出てきた。歴史を勉強するのは、今この時に生きている自分を確認する作業。わたしの後ろには色んな人間の人生があって、人はいつでも生きていて、わたしの先にも人は生きているんだろうと。たまんねーよ。で、一通りみなさんに挨拶を済ませて、次は清河八郎のお墓へ(伝通院に清河さんがいることを最近知った)。しかし場所が分からず、一般在家のお墓に囲まれ、うるさくしてごめんなさいと手を合わせながら右往左往。やっとお墓にたどり着くと、目の前にモンシロチョウがひらひらと飛んできて、もしや清河さんですか!と言いたくなった。段々陽も翳り始めて、伝通院とさよなら。帰り道に澤蔵司稲荷。こわかった。鳥居くぐるのすんげえ怖かった。鳥居の前に、「霊窟 おあな」と彫ってある石が建っていて、おあな、の名の通り、鳥居をくぐると下りの石段があって、木が生い茂ってもう薄暗い穴だよ。最後まで行けずに、途中にある祠でカランカラン鳴らして駆け足で戻った。暗い中に朱色の鳥居はよく映えて、きれいなんだか恐ろしいんだか。あーこわかった!

  • 帰り道にコンビニでガリガリくんレモン味を買って、ガリガリ食べながら水道橋の駅まで歩いた。東京おもしろい。京都とは全く違う。東京は昔の面影がないから、一生懸命昔を想像しながら歩く。京都はところどころ面影が残っているから、昔と一緒に歩ける。