しぬかとおもった

新歓の帰り、かれしちゃんと帰っていたら、道端で酷く苦しそうにしている女の人と大丈夫ですかと声をかける女の子がいた。
駆け寄って、どうしましたかと尋ねると、ふたりは知り合いではないようで、女の子が倒れていた女の人を介抱してあげていたようだった。最初は酔っ払って吐いているのかと思ったが、息がうまく出来ていない様子で、ほんとうに苦しそうで、死んでしまったらどうしようかとほんとうに怖かった。近くに総合病院があったから、女の子は人を呼びに行って、わたしとかれしちゃんはものすっごいびびりながら、大丈夫ですか!がんばって!!と女の人に声をかけていた。ちょっとしてから、もしかしたらこれが過呼吸ってやつかと思い当たり、コンビニの袋を口に当てて様子をみた。時々息が止まって、このまま死んじゃったらどうしようと泣きそうになった。女の子が戻ってくると、病院の人は対応が悪くてここまで来てくれないから抱き上げて直接病院まで運ぶしかないみたいと言った。なんで来てくれないの!?と思いながら、女の子とわたしとかれしちゃんで病院の前まで女の人を運んで、一旦下に降ろすと、女の人は水が飲みたいとしゃべれるようになって、持っていたスポーツドリンクを渡したら、だいぶ落ち着いた。あーよかったと三人で安心して、女の人が、こんなにしてくれたのは始めてよほんとうにありがとうとちょっと泣いていた。女の人は結構酔っ払っていて、連絡先教えてちょーだい今度おごるから!と聞いてきたが、もうぜんぜんいいっすよー!と教えなかった。そうこうしていると太った看護婦さんとラーメンズの頭がにょろにょろしている方みたいな男が車椅子を持って来た。おっせーよ!!と心底腹が立った。看護婦は、また飲んだのね〜先生に怒られるわよ〜と女の人に話しかけていて、女の人の顔を知っているようだったが、あまりにもすっとぼけた感じだったから、また腹が立った。女の子によると、道端で苦しそうにしている女の人がいるから来てくださいと切羽詰った様子で伝えてもあしらう様に対応されたと言っていて、こんな素人に何が出来ると思ってんだよと、もうあそこの病院にはいきたくないと思った。女の人は、家まで送りますよという私たちの言葉に、だあいじょうぶーと返して、ほんっとうにありがとうねと言ってひとり帰った。女の子とわたしとかれしちゃんは、無事でよかったねじゃあおやすみなさいと家に帰った。